こんな感じで生きてます

認知症の両親、私、息子、猫の毎日を綴ります。

認知症疑惑はここから始まりました

父の部屋にある一間の押し入れ。その半間下段に、オムツ類を収納しています。

お目汚し画像です↓

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今から7、8年ぐらい前、この場所は、開封されていない郵便物でいっぱいでした。

どういうことかと言いますと、生来几帳面であった父が、その頃すでに郵便物を開封して要・不要を見極めるということが出来なくなっていて、家の郵便受けに入ったものを、全てこの押し入れに放り込んでいたのです。

私がそれに気付いたのは、自動車税の納付書が届かないことを不思議に思って、家中を探し回ったことがきっかけです。

当時フルタイムで働いていた私は、両親の部屋に入ることは滅多になく、ましてや押し入れの襖を開けることなどありませんでした。

でもその時は、もしかして父が間違えて私宛の納付書を持っているのかもしれないと思って両親の部屋に入り、父の机回りを探しましたが見当たりませんでした。

ふと、押し入れの襖に目が留まりました。まさかこんな所にあるわけないよね、と襖を開けたところ、押し入れの下段に、それこそ雪崩を起こさんばかりに積み上げられた紙の山が、目に飛び込んで来ました。

私は、本当に呆然としました。紙の山は、ほとんどが未開封の郵便物でした。

役所からのものも、通販のダイレクトメールも、渾然一体となって山を成していました。

父は元公務員で、経理会計の仕事をしていました。神経質と言えるほど几帳面な性格で、書類のファイリングなど得意中の得意なはずでした。

それがなぜ、こんなことになっているのか、すぐには理解出来ませんでした。

封書の山を全て押し入れから出し、とりあえず自動車税の納付書を探したら、未開封の状態で出てきました。ホッとして、息を整え、封書をひとつひとつ開封していきました。 

すると、健康保険証が3回も交付されていることに気づきました。再交付が3回です。

なにこれ…なにこれ…背筋が寒くなりました。 

私はそれまで、父の言動に「勘違いが多いなぁ」「物忘れが増えたなぁ」と感じていましたが、トシだからしょうがないかと思っていました。

けれども押し入れの封書の山を見たとき、父がただならぬ状態になりつつあるのだとはっきりと思い知らされ、恐怖に近いものを感じました。

 

あれから時がたち、父の異変を知らせてくれた押し入れに、今は父が使うオムツ類が入っています。

毎日何度もこの押し入れを開けます。そのたびに様々な思いが去来します。